Enrico Pieranunzi with Donny McCaslin Scott Colley Clarence Penn / New Spring Live at The Village Vanguard

2016/11/13


個人的にはジャズピアノの"ボス"と名付けている、イタリア人ピアニストEnrico Pieranunziのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブアルバム。昨年2015年4月のライブで、Donny McCaslin・Scott Colley・Clarence Pennという超強力なアメリカのメンツと布陣を敷いています。

Enrico Pieranunziのアメリカンバンドというと、Scott ColleyとAntonio Sanchetzとの"New American Trio"が鋼のような強固なサウンドで強烈なインパクトを残していますので、当作も音を聞く前から過剰な期待をもってしまいますね。
それになんといってもDonny McCaslinがメインストリームジャズど真ん中のメンツにどのように融合しているのかというのが注目ポイント。

全体としてはメンツからすると意外にも4ビート主体で、圧倒してくるようなフレーズや音圧はなく、丸く滑らかなサウンド。自らの作品ではジャズの枠には収まらないアルバムやアーティストとの交流をしているDonny McCaslinも、このメンツとヴィレバンという場所を意識したかのような演奏になっている気がします。といっても、1曲目のAmsterdam Avenueの出だしでChris Potterかと錯覚する(わずかに剛性は落ちるけど)ようなフレーズがかっこいいし、One Of The World(#2)のソロは現地ではさぞエキサイティングだっただろうど。


Enrico Pieranunziの"New American Trio"でのピアノは圧倒的な集中力と攻撃力で超強面だったのですが、ここでは腹八分目な印象で「場所」とカルテットという編成に応じた演奏。リスナーの立場からすると、前者は聞く側にも対峙するテンションが必要でしたが、このアルバムは気軽にEnricoのピアノを楽しめるところがこのアルバムのストロングポイントでしょうね。


このアルバムにも収録されているPermutation強面バージョン!



Personnel
Enrico Pieranunzi : piano
Donny McCaslin : tenor sax
Scott Colley : bass
Clarence Penn : drums

Tracks
1. Amsterdam Avenue
2. New Spring
3. Out of The Void
4. Permutation
5. Loveward
6. I Hear A Rhapsody
7. The Water

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Recorded on 29 and 30 April 2015 at The Village Vanguard, NYC

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