Brad Mehldau Trio / Blues and Ballads

2016/07/17




「メルドー・トリオ」としては、"Where Do You Start"(2012)以来5年振りとなる新作。近年はソロピアノとかMark Guilianaとの"Mehliana"(2014)の彼らしい部分を前面に出した作品が続いていたためかご無沙汰感はないですね。

今作も"Day is Done"(2005)から続いているメンツ(Larry GrenadierとJeff Ballard)で、レコーディング自体は2012年と2014年ですが、このタイミングでのリリースなので数年ねかせてからとなっています。Brad MeldauもKeith Jarrettみたくなってきたのかも。

楽曲はタイトル通りにもあるとおりですが、Brad Mehldauのオリジナルはなく、Cole PorterやCharlie Parkerなどのスタンダード、BeatlesやPaul McCartneyの名曲といったお馴染みのものと、"Largo""Highway Rider"で過去にコラボしていたJon Brionが作詞作曲を手がけたバラードで構成。

ブルージーなCherylはちょっと浮いている気はしたものの、全体的に非常に抑制された演奏で音数も少なく、彼の作品史上最も刺激の少ない内容ではないか?と感じました。アルバムとしてはBGMとしても成り立つような聴きやすさが抜群なので、再生回数は増えていきそうです。
前述の"Day is Done"がとても刺激的なトリオ作品だったこともあって、当時このトリオに過剰な期待をしていましたが、それ以降深化しているが進化はみられていないのはちょっと寂しいところ。

Jon Brionについてちょっとだけ触れておくと、彼はシンガーソングライターという肩書きですが、プロデュースやアレンジの面での高い才能も評価されているいて、Tom PettyからKanye Westまでサポートできる守備範囲の広さをもっています
ちなみにこのアルバムに収録されているLittle Personは「Synecdoche New York」(2008)というマイナー(?)な映画で彼が全面的に取り組んだサントラで発表されています。




Little Person (Jon Brion) #3





元ネタは・・





Personnel
Brad Mehldau : piano
Larry Grenadier :  bass
Jeff Ballard : drums

Tracks
1. Since I Fell for You
2. I Concentrate on You
3. Little Person
4. Cheryl
5. These Foolish Things (Remind Me of You) *
6. And I Love Her
7. My Valentine

Recorded and Mixed at Avatar Studios, New York, NY on December 10, 2012 (#1,4,6,7) and May 12, 2014 (#2,3,5)
Rel:2016 Nonesuch Records 7559-79465-O

2 件のコメント

  1. こんばんは。ご無沙汰しています。

    おっしゃる通り,このアルバム,聞きやすいと思わせるのは事実であり,それが「深化しているが進化はみられていない」と感じられる理由ではないかと思います。ただ,これはこれで,Mehldauのブルーズ表現を感じ取れるところもあり,私はよかったと思います。でも最高傑作ではないですね(笑)。

    ということで,こちらの記事のリンクを貼付させて頂きます。
    http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2016/06/brad-mehldau-2f.html

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    1. 大変ご無沙汰しています。
      コメントありがとうございます。
      過去のアルバム通してもここまで聞きやすく深い味わいを感じるものはなかったので、彼の作品としてはスルメ要素が多いものになっていると思います。
      バリバリ弾きまくるMehldau Trioを待望したいですけどね。
      リンクありがとうございました!

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